莆田市は福建省沿岸部中央に位置し、海洋性亜熱帯モンスーン気候で、年間平均気温は18℃~21℃です。市の北側は省都福州市、南は歴史名都の泉州市に隣接し、西には戴雲山、東南は台湾海峡に面し、台湾と海を挟んで向かい合っています。
媽祖聖地として、世界中に2億人以上の媽祖信者を持ちます。「海浜鄒魯」(海辺の文化が盛んな地域の意味)と「文献名邦」の美称を持ち、唐代から21名の状元、22名の宰相を輩出しています。
莆田市博物館
莆田市博物館は綬渓公園の東側に位置し、同済大学建築設計研究院が主導して設計を手掛けました。博物館全体の外観は如意の形のように見えます。「莆田歴史文化展」、「莆田民俗文化展」、「莆田歴代書画芸術展」、「莆田木彫芸術展」、「媽祖文化と海のシルクロード展」、「館蔵文物精品展」の6つの常設展示室に加えて5つの企画展示室で定期的に特別展や巡回展が開催されています。
莆仙戯
莆仙戯は福建省の伝統的な地方劇の一つで、中国の国家級無形文化遺産に指定されています。唐代に起源を持ち、宋代に形を成し、明清時代に発展し、現代に至ってから輝きを放っています。莆仙戯の演技は古風で優雅です。その多くの動きが人形劇の影響を受けており、独特の芸術様式を持っています。また、歌唱法も豊かで、莆仙の民謡、十音八楽、仏教音楽、宋元の詞曲、大曲舞踊の芸術的特徴などを総合し、方言で歌われ、濃厚な地域の特色を帯びています。
莆田木彫
長い歴史を持つ莆田木彫は、唐代にはすでに建築装飾や仏像制作、書籍の彫刻に用いられていました。明代には、仏像制作や装飾彫刻に秀でた職人が多く現れ、清代には莆田木彫の芸術がさらに発展を遂げ、乾隆帝時代には金箔を施した透かし彫りの作品が献上品として扱われるようになりました。造形の美に優れ、精緻な技巧を必要とされる莆田木彫は、特に立体円彫り、精密な細彫り、三重透かし彫りなどの伝統技法で世界的に知られています。
湄洲島
湄洲島は媽祖が神となった聖地で、「南国の蓬莱」の美称で知られています。心揺さぶる湄嶼の潮音、湄洲祖廟、「東洋のハワイ」、九宝瀾黄金浜、「小石林」鵝尾奇岩など30ヶ所以上の景勝地があり、さらに2億人の媽祖信者が信仰を寄せる媽祖祖廟があります。旧暦の3月23日の媽祖生誕祭と9月9日の媽祖昇天祭の期間中は、巡礼観光で賑わい、「東洋のメッカ」と称されます。
広化寺
広化寺は南朝陳の永定2年に創建され、1,430年以上の歴史を持つ由緒ある名高いお寺です。福州市の鼓山寺、厦門市の南普陀寺、泉州市の開元寺と並んで福建四大叢林と称されています。
南少林寺
南少林寺の前身は「林泉寺」と称し、南朝永定年間(西暦577年)に建立されました。1986年に考古学者により南少林寺の遺跡が発掘され、1998年に再建されました。総計画面積は26.1平方キロメートルで、区域内の「九華畳翠」と「紫霄奇岩」は莆田二十四景のうちの2つに数えられています。